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デヴィッド・ギルモア使用ギター完全ガイド|Black Stratとロングトーンの秘密【2026年版】



「Comfortably Numb」のあのソロ。

一音ごとに空間が広がっていくような、あの伸びやかなトーンはどこから来るのでしょうか。

ピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアのギターには、ある1本の存在が欠かせません。

筆者
筆者
どうも、ギター歴13年のryoです。Comfortably Numbのソロを初めてコピーした時の話です。音数は少ないのに全然同じ雰囲気になりませんでした。指板を押さえる強さより先に、機材の側に理由がありました。
機材のせいだったんですか?
筆者
筆者
筆者
筆者
半分はそうです。彼のストラトは長年かけて改造を重ねた特別な1本でした。ただし後半で紹介する現行モデルなら、その方向性に近づけます。
  • 愛称"Black Strat"の成り立ちと改造内容
  • Fender Custom Shopによる精密な再現モデル
  • 手が届く価格帯で近づくための現実的なアプローチ
  • HiwattのアンプとBig Muffで作る"壁"のようなサウンド
  • Binson Echorecが生んだ独特のディレイ感

デヴィッド・ギルモアとは|ストラトを"歌わせた"男

1946年3月6日、イングランド・ケンブリッジ生まれです。

13歳で最初のギターを手にしました。

ピート・シーガーの教則レコードと本で独学しています。

1963年にはR&Bカバーバンド、Jokers Wildに加入しました。

1968年、シド・バレットの後任としてピンク・フロイドに加入します。『炎〜あなたがここにいてほしい』収録の「Shine On You Crazy Diamond」。『ザ・ウォール』収録の「Comfortably Numb」。数々の名演を残しました。1973年の『狂気』は世界的な大ヒットになりました。1987年にはロジャー・ウォーターズとの対立を経てバンドを牽引する立場になりました。ソロ活動も並行しています。2024年には全英1位アルバム『Luck and Strange』を発表しました。1996年にはピンク・フロイドのメンバーとしてロックの殿堂入りを果たしています。

デヴィッド・ギルモア 機材年表

出来事
1946年 イングランド・ケンブリッジに誕生
1968年 ピンク・フロイド加入
1970年前後 後に"Black Strat"となるストラトキャスターを入手
1970年代 Hiwatt DR103とBinson Echorec 2を導入
1970年代末 Big Muffへ本格移行
1973年 『The Dark Side of the Moon』発表
2008年 Fender Custom ShopがBlack Strat再現モデルを発売
2024年 ソロアルバム『Luck and Strange』が全英1位

"Black Strat"|すべての中心にある1本

1970年前後に入手した黒いストラトキャスターです。

本人と専属テクニシャンのフィル・テイラーによって、長年かけて改造が重ねられました。

  • 仕上げ:ブラックのニトロセルロースラッカー
  • ボディ:アルダー、黒いピックガード
  • ネック:1ピースメイプル、シンショルダーの"C"シェイプ
  • アーム:短縮加工したヴィンテージ・トレモロアーム
  • その他:裏蓋なしのトレモロ、ナロースペースのドット・インレイ

ネックシェイプは本人所有の1983年製US Vintage '57ストラトから型を取ったものです。

代表曲は「Comfortably Numb」など多数。ソロはすべてこの1本が生み出したものです。ネック〜ミドルポジション中心の温かいサウンドと、伸びやかなロングトーンが特徴です。
筆者
筆者
"歌うトーン"という表現がよく使われます。実際に弾いてみると、サステインの伸び方が独特です。派手なテクニックよりも、1音を長く保つための設計だと感じます。
⚠️ 注意:実機のBlack Stratはもう本人の手元にありません。2019年、気候変動対策の慈善団体への寄付を目的にオークションへ出品されました。落札額は約398万ドルで、当時のギター史上最高額となりました。その後2026年に再度取引され、約1455万ドルで落札。史上最も高額なギターとして記録を更新しています。

Fender Custom Shop David Gilmour Signature Stratocaster

2008年、Fenderが本体の再現モデルを出しました。

フィル・テイラーの協力のもとで作られています。

⚠️ 注意:新規製造は2019年ごろまでとされています。ただし小ロット生産のCustom Shop品のため、現在も在庫流通で新品購入が可能です。価格は100万円を大きく超える水準です。

現物に限りなく近い体験をしたい方向けの選択肢です。


手が届く価格で近づくアプローチ

100万円級のCustom Shopは、多くの人にとって現実的ではありません。

そこで考えたいのがギルモア自身のやり方です。

彼のBlack Strat自体、もとは既製品を改造した1本でした。

ベースにしたいのがFender Player II Stratocasterです。黒の個体を選び、ピックガードやピックアップを好みに合わせて手を加えていく。これはギルモア本人が辿った道筋そのものです。1本の完成品を買うより、育てていく楽しみがあります。
改造の知識がなくても大丈夫ですか?
筆者
筆者
筆者
筆者
ピックガード交換くらいなら難しくありません。まずは黒のPlayer II Stratを弾き込んでください。そこから少しずつ理想に近づけていくのがおすすめです。


アンプ|Hiwatt DR103の"壁"

長年のメインアンプはHiwatt DR103です。

1960年代末から2000年代まで使い続けました。

WEM製の4×12キャビネットと組み合わせています。

Hiwattは今も現存する数少ない英国ブランドの1つです。DR103は現在も同社のフラッグシップとして製造が続いています。軍用規格に準じたハンドワイヤリングが特徴です。ヘッドルームの広さから、セッションミュージシャンやツアーミュージシャンに根強い人気があります。

他にはFender Twin Reverbも併用してきました。

クリーンのヘッドルームを稼ぐ役割です。


エフェクター|Big MuffとBinson Echorec

Electro-Harmonix Big Muff Pi|壁のような歪み

初期はDallas Arbiter Fuzz Faceを使用していました。

1970年代末からBig Muffへ移行します。

ギルモアのクリーントーンは非常にヘッドルームが広いことで知られます。

歪みのキャラクターはほぼBig Muff単体で作られています。

Ram's Head世代のBig Muffについてはこちらで詳しく解説しています。

Electro-Harmonix Ram's Head Big Muff Pi|伝説の"第2世代"ファズを徹底解説

Binson Echorec|唯一無二のディレイ感

1970年代後半まで使用していたのがBinson Echorec 2です。

回転する金属ディスクで残響を生む、独特な仕組みの機材でした。

⚠️ 注意:Binson社は既に事業を終えています。実機の新規入手はできません。近い質感を再現したペダルが現行で販売されています。

代表的なのがCatalinbread Echorecです。

回転ディスクの挙動を再現するために作られたペダルになります。

その他の使用機材

ジャンル 機材
ディレイ MXR Digital Delay
オーバードライブ/プリアンプ BK Butler 911 Tube Driver、Colorsound Power Boost
フランジャー Electro-Harmonix Electric Mistress
コーラス BOSS CE-2 / CE-3
コンプレッサー MXR Dyna Comp、BOSS CS-2

フランジャーの定番、Electric Mistressについてはこちらでまとめています。

Electro-Harmonix Electric Mistress|幻想的な揺れを生む唯一無二のペダル


ギルモアの音に近づく3つのポイント

step
1
音数を削る

彼のソロはテクニックの誇示ではありません。

1音1音の長さと表情に意識を向けてみてください。

step
2
クリーンのヘッドルームを確保する

アンプ自体の歪みは最小限に抑えます。

歪みのキャラクターはペダル側に任せる設計です。

step
3
ディレイで空間を作る

単なる繰り返しではなく、音の奥行きを作る使い方です。

フィードバック量を上げすぎないのがコツです。


使用弦・ピック・メンテナンス

ロングトーンを支えるには、弦のコンディションも重要です。


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そろそろ、本気でギターと向き合ってみませんか?

筆者
筆者
Comfortably Numbのソロを独学でコピーしていた頃の話です。音は合っていてもニュアンスが全然違いました。

歌うようなロングトーンを身につけたいなら。

独学より一歩早く近づける方法があります。

オンラインギターレッスンおすすめ3選で、あなたに合うスクールを比較してみてください。


よくある質問(FAQ)

Q. Black Stratの再現モデルは買えますか?
A. Fender Custom Shopの精密な再現モデルがあります。新規製造は2019年ごろまでとされますが、在庫流通で新品購入が可能です。価格は100万円を大きく超えます。

Q. もっと手頃な価格で近づく方法はありますか?
A. Fender Player IIの黒い個体をベースにする方法があります。ギルモア自身もこうした改造を重ねてBlack Stratを作り上げました。

Q. Hiwatt DR103は今も買えますか?
A. はい、現行品です。イギリスの自社工場でハンドワイヤリングされる、Hiwattのフラッグシップモデルです。

Q. Binson Echorecの実機は入手できますか?
A. できません。Binson社は既に事業を終えています。Catalinbread Echorecなど、質感を再現した現行ペダルが選択肢になります。

Q. 歪みはBig Muffだけで作られていますか?
A. ほぼそうです。アンプのクリーンなヘッドルームを活かし、歪みのキャラクターはBig Muff側で作る構成です。


まとめ:デヴィッド・ギルモアの機材

  • すべての中心は改造を重ねた"Black Strat"。ネックは1983年製ヴィンテージ機から型取り
  • Fender Custom Shopの精密な再現モデルは在庫流通で購入可能(高額)
  • 手頃に近づくならFender Player II Stratocasterをベースにした改造が現実的
  • アンプはHiwatt DR103。現行品でイギリスの自社工場製
  • 歪みはBig Muff単体。ディレイ感はBinson Echorec由来(実機は入手不可・現行ペダルで代替可)

ギルモアの機材は、決して特殊な組み合わせではありません。

ストラトキャスター・真空管アンプ・ファズという王道の構成です。

違いは、1本の楽器に何年もかけて向き合い続けたことにあります。

高額なCustom Shopでなくても、その姿勢は真似できます。

まずは手持ちのギターで、音数を減らして弾いてみてください。

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