Gibson SG使用ギタリスト7選|アンガス・ヤングも愛した「悪魔の角」の使い手たち
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「SGってどんなギタリストが使ってるの?」「レスポールと何が違うのか知りたい」——そんな疑問にこの記事で答える。
個人的な話をすると、初めてSGを手にしたとき、その弾きやすさに驚いた。アンガス・ヤングが「手が小さくても弾けるギター」と語っていた意味が、弾いた瞬間に腑に落ちた。ダブルカッタウェイで高いフレットまでスムーズに届く。レスポールと比べて軽い。薄いネックが手にすっと馴染む。「これ、俺のためのギターじゃないか」と思った。
こんな人に読んでほしい
・Gibson SGの購入を検討していて、どんな音・弾き心地かイメージしたい
・好きなギタリストがSGを使っているか知りたい
・ハードロック・ブルース・ゴスペルでSGがどう使われるか知りたい
この記事でわかること
・SGを愛用する有名ギタリスト7名とその使用個体
・ヘヴィメタルからゴスペル・現代ブルースまで、ジャンルを越えたSGの使われ方
・SGがレスポールより「弾きやすい」と言われる理由
1961年にGibsonが発表したSG(Solid Guitar)は、当初レスポールの後継として設計された。しかしその後、レス・ポール本人が自分の名前の使用を拒否したほど、前作とは大きく異なる個性を持っていた。ダブルカッタウェイの薄いボディ、悪魔の角のようなホーンシェイプ——その攻撃的なフォルムと「ワイルドな中域」は、ハードロック・ヘヴィメタルの語法そのものを作り上げた。
SGプレイヤー比較表
| カテゴリ | 代表ギタリスト | 主ジャンル | SGの特徴的な使われ方 |
|---|---|---|---|
| ハードロック/ ヘヴィメタル編 |
アンガス・ヤング/トニー・アイオミ/ピート・タウンゼント | ハードロック/ヘヴィメタル | ワイルドな中域で切り込むリフ/軽量ボディによる激しいパフォーマンス |
| ブルース/クラシック編 | エリック・クラプトン/シスター・ロゼッタ・サープ/デレク・トラックス | ブルース・ロック/ゴスペル/スライド | ウーマントーン/ヴィスセラルな倍音/スライドの豊かなサステイン |
| 現代ブルース編 | ゲイリー・クラーク・Jr | モダン・ブルース | P-90の唸りとドライヴの凄みが共存する現代的ブルーストーン |
ハードロック/ヘヴィメタル編|SGが生んだ「重さ」の系譜
アンガス・ヤング(Angus Young / AC/DC)
アンガス・ヤング|50年間SG一筋、世界で最もSGと結びついた男
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「SGといえばアンガス・ヤング」——この等式は50年以上かけて構築されてきた。AC/DCのフロントマンとして、スクールボーイ姿でステージを走り回りながら弾き続けてきたメイン機は、一貫してGibson SG。その中でも最も有名なのが1971年製SG Standardだ。
アンガスがSGを選び続ける理由のひとつは、ネックの薄さとボディの軽さだ。「手が小さくても問題なく弾ける」と本人も語っており、ダブルカッタウェイがハイフレットへのアクセスを劇的に容易にしている。実際、SGを初めて手にしたギタリストの多くが「こんなに弾きやすいのか」と驚く——その感覚はアンガス自身の言葉と完全に一致する。
Back in Black(1980)やHighway to Hell(1979)のリフは、SGのハムバッカーが持つ「ワイルドな中域の輪郭」なしには成立しない。歪みをかけても音が潰れず、バンドのミックスの中でリフが鮮明に切り込んでくる——それがSGの真骨頂だ。
使用個体:1971年製 Gibson SG Standard(メイン機)ほか複数
要聴:Back in Black(1980)/Highway to Hell(1979)/Thunderstruck(1990)
Angus Young(AC/DC)使用ギター完全解説|SGの魅力と購入ガイド
トニー・アイオミ(Tony Iommi / Black Sabbath)
トニー・アイオミ|ヘヴィメタルを「発明」した男とSGの運命的な出会い
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ヘヴィメタルの父と呼ばれる男とSGの出会いは、ある意味「偶然」から始まった。1969年のレコーディングセッションで自身のストラトキャスターが使えない状況に陥り、手元にあった1965年製SG(通称"Monkey")を弾いたのが始まりだ。
それだけではない。アイオミは工場労働中の事故で右手の中指と薬指の先端を失っている。弦のテンションを下げるためにダウンチューニングを採用し、SGのハムバッカーを最大限に活かした重く暗いリフを生み出した。この「制約から生まれた音」が、ヘヴィメタルというジャンルの原型を作ったのだ。
Iron Man(1970)の重厚なリフ、Paranoid(1970)の切り込むリズムギター——あの暗く燃えるサウンドは、SGのミッドレンジの粘りとダウンチューニングの低域が組み合わさって初めて生まれる。アイオミがいなければ、SGのイメージは今とまったく異なっていたかもしれない。
使用個体:1965年製 Gibson SG("Monkey")、その後カスタムSGシグネチャー各種
要聴:Iron Man(1970)/Paranoid(1970)/War Pigs(1970)
ピート・タウンゼント(Pete Townshend / The Who)
ピート・タウンゼント|破壊と音楽の狭間でSGを鳴らした男
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「ギター破壊」のイメージが先行しがちなピート・タウンゼントだが、1960年代後半のThe Who黄金期において、SG Specialが彼のメイン機だった。Tommy(1969)やLive at Leeds(1970)でのプレイは、SGの太いトーンと激しいリズムワークが完璧に噛み合った記録だ。
タウンゼントがSGを選んだ理由もその軽さにある。ウィンドミル奏法——腕を大きく回してストロークするスタイル——には、重いギターは不向きだ。SGの軽量ボディが、あの激しいステージアクションを物理的に可能にした。音楽とパフォーマンスが一体化したロックの美学を、このギターは支えていた。
使用個体:Gibson SG Special(1960年代後半)
要聴:Won't Get Fooled Again(1971)/Live at Leeds(1970)
ブルース/クラシック編|SGが刻んだ声のような鳴り
エリック・クラプトン(Eric Clapton / Cream期)
エリック・クラプトン|"The Fool" SGで「神」と呼ばれた1967〜68年
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「神(God)」と呼ばれた男のCream期——そこに輝いていたのが、サイケデリックな絵付けが施された1964年製SG、通称"The Fool"だ。この一本がクラプトンのSGとの関係を語る上で欠かせない。
Sunshine of Your Love(1967)やWhite Room(1968)でのサウンドは、SGでしか生まれない。クラプトンはこの時期、トーンノブを絞り切り、ゲインを上げることで「ウーマントーン(Woman Tone)」と呼ばれる豊かで濃密なリードサウンドを生み出した。ハムバッカーのウォームさとソリッドボディの鳴りが、あの温かく荒々しい歪みトーンの核心にある。
使用個体:1964年製 Gibson SG("The Fool"、サイケデリック・ペイント)
要聴:Sunshine of Your Love(1967)/White Room(1968)
エリック・クラプトン使用ギター徹底解説|Brownie・Blackieと名器たち【年表付き】
シスター・ロゼッタ・サープ(Sister Rosetta Tharpe)
シスター・ロゼッタ・サープ|ロックンロールの母がSG Customで切り開いた地平

ゴスペルの女王であり、チャック・ベリーやエルヴィス・プレスリーに決定的な影響を与えた「ロックンロールの母」——シスター・ロゼッタ・サープは1963年から、3ハムバッカー搭載のSG Customを主力機として使用した。
彼女のプレイは、ゴスペルの霊的な高揚感をエレクトリックギターのドライヴで表現するという、当時としては革命的なアプローチだった。SGのハムバッカーが持つ「力強い中域の咆哮」が、礼拝堂の空気を震わせる声の代わりとなった。
後世のロックミュージックがSGに求める「ヴィスセラルな(内臓に響くような)エネルギー」の源流は、実はここにある。アンガス・ヤングやトニー・アイオミよりも早く、サープはSGのそのパワーを音楽に変換していた。
使用個体:Gibson SG Custom(トリプルハムバッカー、1963年〜)
要聴:Didn't It Rain/Up Above My Head(1960年代映像)
デレク・トラックス(Derek Trucks)
デレク・トラックス|スライドの至芸とSGの「太くウーリーなトーン」
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オールマン・ブラザーズ・バンドの系譜を継ぐスライドギタリスト、デレク・トラックスにとってSGは「生涯の相棒」だ。使用するのは2000年製Gibson SG '61 Reissueおよびシグネチャーモデルで、開放弦チューニング(主にオープンE)でスライドバーを滑らせる。
トラックスが求めるのは「厚く、ウーリー(毛羽立ったような)なトーン」だ。SGのハムバッカーとボディの薄さがスライドの滑らかな動きと合わさると、まるでインドの弦楽器のような持続音と倍音が生まれる。Soul SerenadeやKey to the Highwayでの演奏は、「SGはヘヴィメタルのギター」というイメージを根本から書き換える。
使用個体:2000年製 Gibson SG '61 Reissue、Derek Trucksシグネチャー(開放Eチューニング)
要聴:Soul Serenade/Key to the Highway(Allman Brothers Bandライヴ)
現代ブルース編|SGが引き継ぐ魂
ゲイリー・クラーク・Jr(Gary Clark Jr.)
ゲイリー・クラーク・Jr|P-90搭載SGで現代のブルースを唸らせる
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現代ブルースの最重要人物、ゲイリー・クラーク・Jrは複数のSGを愛用している。特筆すべきは、通常のハムバッカーではなくP-90ピックアップを3基搭載したカスタムSGだ。P-90特有の「唸るような」シングルコイルサウンドがクラーク流ブルースの核心にある。
ドライヴをかけたときにSGのボディ鳴りと共鳴し、ハムバッカーでは出ない「粗さとコクが同居する」トーンを生む。Bright Lights(2011)やThis Land(2019)でのギターソロは、シスター・ロゼッタ・サープが切り開き、クラプトンが磨き上げた「SGで歌うブルース」の系譜を現在進行形で引き継いでいる。
使用個体:P-90×3搭載カスタムSG(グロス・イエロー)、Gary Clark Jr.シグネチャーモデル
要聴:Bright Lights(2011)/This Land(2019)
番外編|印象的なSGユーザーたち
日本では坂本慎太郎(ゆらゆら帝国)が1971年製SG Standardを長年のメイン機として使用しており、ボディ裏には水木しげるの直筆イラスト入りという世界に一本の個体が印象的だ。
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またカネコアヤノは初期活動時にSGを使用しており、あの「生っぽく素直な熱量」のトーンにSGが一役買っていた。
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まとめ|SGが愛され続ける理由
ダブルカッタウェイの軽量ボディ、薄いネック、ハイフレットへの圧倒的なアクセス——SGは「弾きやすさ」を武器に、50年以上第一線に立ち続けてきた。アンガス・ヤングが「手が小さくても弾ける」と語るその言葉は、多くのギタリストの入口になってきた。
まとめ
「ヘヴィメタルの咆哮」も「ブルースの泣き」も「ゴスペルの高揚」も——SGは一本でその全域をカバーする。1961年の誕生以来、ただの一度も生産中止にならなかったGibson唯一のモデル。それはこのギターが、ジャンルを超えた「弾く喜び」を与え続けているからに他ならない。
FAQ
Q. SGを使う有名ギタリストは?
A. アンガス・ヤング(AC/DC)、トニー・アイオミ(Black Sabbath)、エリック・クラプトン(Cream期)、ピート・タウンゼント(The Who)、シスター・ロゼッタ・サープ、デレク・トラックス、ゲイリー・クラーク・Jrなど。日本では坂本慎太郎(ゆらゆら帝国)、カネコアヤノが印象的。
Q. SGの音の特徴は?
A. ハムバッカーによるワイルドな中域と、薄いソリッドボディが生む「切り込み感」が特徴。歪みをかけてもリフの輪郭が失われず、バンドのミックスの中でも存在感を発揮する。P-90搭載モデルはよりシャープで唸るようなトーンになる。
Q. レスポールとSGの違いは?
A. レスポールはより重く、マホガニーの厚みによる長いサステインと太い低域が特徴。SGは軽量でダブルカッタウェイのためハイフレットへのアクセスが容易。ネックが薄く、手が小さいプレイヤーにも扱いやすい。サウンドはSGの方が中域の「野性味」が強い傾向がある。
Q. SGはどのジャンルに向いている?
A. ハードロック・ヘヴィメタルのイメージが強いが、実際はゴスペル、ブルース、オルタナティブ、ポストパンクなど幅広いジャンルで使われている。特にP-90搭載モデルはインディやポストパンクとの相性も高い。
Q. "The Fool" SGとは?
A. エリック・クラプトンがCream期(1967〜68年)に使用した1964年製SG。オランダのアーティスト集団「The Fool」によるサイケデリックな絵が施された有名な一本で、「ウーマントーン」の代名詞とも言える。
参考・出典(一次情報・公式中心)
Gibson Official:SG製品史・Derek Trucks / Gary Clark Jr.シグネチャーモデル公式ドキュメント
Rock & Roll Hall of Fame:Sister Rosetta Tharpe / Tony Iommi / Pete Townshend 公式プロフィール・アーカイブ
AC/DC / Black Sabbath / The Who / Cream 公式写真・公演映像・アーカイブ
Premier Guitar / Guitar World / Guitar Player:各種リグ特集・本人インタビュー(アンガス・ヤング、デレク・トラックス、ゲイリー・クラーク・Jr)
本記事は上記の一次情報・公式発表・映像記録に基づいて記述。特定個体の年式・仕様には諸説あるケースがあり、確認可能な範囲で表現を限定しています。