ジョージ・ハリスン使用ギター徹底解説|象徴的6本+Squierエピソード&代替モデル完全ガイド【年表付き】
独特のコードワークと繊細なスライドでビートルズ・サウンドを彩ったジョージ・ハリスン。
この投稿をInstagramで見る
象徴的6本に、Squier Stratocasterのエピソード(諸説あり)まで加えて、音色・代表曲・現行で買える代替モデルまで網羅する。
使用ギター年表(タイムライン)
- 1961–1963:Gretsch Country Gentleman/Duo Jet(初期の核)
- 1963–1965:Rickenbacker 360/12(『A Hard Day’s Night』の12弦)
- 1966–1968:Epiphone Casino(塗装剥がしでナチュラルに)
- 1968–1969:Fender Rosewood Telecaster(『Let It Be』~屋上ライブ)
- 1968–:Gibson Les Paul “Lucy”(クラプトン由来、太いサステイン)
- 1967–(ソロ期も):Fender Stratocaster “Rocky”(サイケ・ペイント)
- 1980sごろ:Squier Stratocaster(所有・使用の伝承/一次資料未確定)
Gretsch Country Gentleman(初期)
この投稿をInstagramで見る
音色:温かい中域と軽いコンプレッション感。コードの分離が良く、ロカビリー~ビートバンドの厚みを作る。
代表曲・場面:TV出演(Ed Sullivan Show期)/USツアー初期。ジャングリーな刻みの土台。
Rickenbacker 360/12(中期)
この投稿をInstagramで見る
音色:“鐘の音”のような煌びやかさ。倍音が豊かで、分散和音でも濁りにくい。
代表曲:「A Hard Day’s Night」「I Should Have Known Better」——冒頭コードの衝撃はこの12弦ならでは。
Epiphone Casino(1966–1968)
この投稿をInstagramで見る
音色:セミアコの箱鳴り+P-90の押し出し。軽量個体だと生鳴り強く、クリーン~軽いブレイクアップが絶妙。
トピック:1968年に塗装を剥がしてナチュラルへ(経緯・解釈は資料で差があるため断定は避ける)。
Fender Rosewood Telecaster(1968–1969)
この投稿をInstagramで見る
音色:全ローズの質量感から来る“芯の太い温かさ”。屋上ライブ「Get Back」での伸びやかなサステインは象徴的。
背景:フェンダーがハリスン向けに製作したプロトタイプを使用。後年に限定復刻あり。
Gibson Les Paul “Lucy”(1968–)
この投稿をInstagramで見る
音色:太い中低域と豊かなサステイン。メロディ・ラインが混濁せずに前へ出る。
代表曲:「While My Guitar Gently Weeps」——録音のリードはクラプトンが“Lucy”で弾いたことで有名。
Fender Stratocaster “Rocky”(ソロ~晩年)
この投稿をInstagramで見る
音色:トップのキラめきと滑らかなピッキングレスポンス。ペイント含め自作カスタムの象徴。
トピック:フェンダーがトリビュート/CSで限定復刻を展開。
【諸説あり】Squier Stratocasterと“良く鳴った”話
要点:1980年代にSquier Stratocasterを所有・使用したとする写真・伝承がある(JV期の可能性など)。
一次資料(公式インタビューやメーカー公文書)での明確な裏付けは未確認。
エピソード(伝承):息子ダーニに買ったSquierをハリスン本人が弾いたところ「価格以上に良く鳴る」と感心した、という話がファン・コミュニティで流布。
本記事では“伝承・諸説”として紹介し、断定はしない。
※ビートルズ本編の象徴的ギター(Gretsch/Rickenbacker/Casino/Rosewood Tele/Lucy/Rocky)に比べると、Squierは“サブ”または“私的使用”の域で語られることが多い。
入手困難モデルと代替候補(価格帯別)
1) Rickenbacker 360/12(“A Hard Day’s Night”の12弦)
選択肢 | モデル例 | 参考価格帯 | ポイント |
---|---|---|---|
公式復刻 | Rickenbacker 360/12C63 | ¥700,000~¥800,000 | ハリスン由来の復刻。倍音の美しさは唯一無二。 |
近似12弦 | Gretsch G5422G-12 | ¥200,000前後 | 手が届きやすい価格の12弦セミアコ。きらびやか系。 |
入門12弦 | Yamaha/Harley Bentonほか | ¥40,000~ | まず12弦の運指・ピッキング慣れに。 |
2) Fender Rosewood Telecaster(屋上ライブ)
選択肢 | モデル例 | 参考価格帯 | ポイント |
---|---|---|---|
限定復刻 | Fender George Harrison Rosewood Tele | 中古 ¥400,000~¥600,000 | 総ローズ外装の重厚感。入手は中古中心。 |
現行系 | Fender American Pro II Tele | ¥200,000~¥250,000 | 芯のある中域と扱いやすさ。実戦的。 |
廉価 | Squier Classic Vibe Tele | ¥60,000~¥80,000 | 初テレに最適。後からPU交換も視野。 |
3) Epiphone Casino(Revolver~Sgt. Pepper’s)
選択肢 | モデル例 | 参考価格帯 | ポイント |
---|---|---|---|
現行 | Epiphone Casino(Natural) | ¥80,000~¥110,000 | P-90の押し出し+箱鳴り。軽量個体が当たり。 |
上位互換 | Gibson ES-330 | ¥500,000~ | Casinoのルーツ。生鳴りと解像度の高さ。 |
小型 | Epiphone Casino Coupe | ¥70,000前後 | 取り回し良し。狭い現場や宅録で強い。 |
4) Gibson Les Paul “Lucy”
選択肢 | モデル例 | 参考価格帯 | ポイント |
---|---|---|---|
最寄り | Gibson Les Paul Standard ’60s | ¥400,000前後 | 太いサステインと歌う中域。現場の基準機。 |
コスパ | Epiphone Les Paul Standard ’60s | ¥60,000~¥80,000 | 価格以上の完成度。PU換装余地あり。 |
カラー重視 | Gibson Les Paul Classic Cherry | ¥300,000~ | ビジュアル重視派に。 |
5) Fender Stratocaster “Rocky”
選択肢 | モデル例 | 参考価格帯 | ポイント |
---|---|---|---|
公式復刻 | Fender CS “Rocky” Strat | 中古 ¥1,500,000~ | コレクション寄り。市場は限定的。 |
現行万能 | Fender Player Stratocaster | ¥100,000前後 | 使い勝手最高。DIYペイントで“Rocky風”も。 |
入門 | Squier Affinity Strat | ¥30,000~¥40,000 | まずはストラトの基礎を体得。 |
6) Gretsch Country Gentleman/Duo Jet
選択肢 | モデル例 | 参考価格帯 | ポイント |
---|---|---|---|
ヴィンテージ志向 | Gretsch G6122T-62 Vintage Select | ¥400,000~ | 初期ビートサウンドの王道。 |
Duo Jet復刻 | Gretsch G6128T-53 Vintage Select | ¥350,000~¥400,000 | ソリッド寄りの切れと厚み。 |
廉価 | Gretsch Electromatic(G54xx) | ¥80,000~¥120,000 | まず“グレッチ感”を体験。 |
音作りTips|ハリスンらしいトーン再現
- アンプ:VOX系(AC30/AC15)でトップのきらめきを。クリーン~クランチ境界を攻める。
- ピッキング:12弦は薄めのピック+ブリッジ寄り。分散和音で倍音を積む。
- 弦:ニッケル系のやや細め(.010~)で高域の伸びを確保。
- セミアコ運用:Casinoは軽量個体が当たり。生鳴り重視で木部の共振を活かす。
- ペダル最小主義:軽いブースト/コンプで“押し出し”だけ補う。やり過ぎない。
FAQ
Q. まず1本だけ買うなら?
A. 汎用性ならEpiphone Casino。12弦の体験を重視するならRickenbacker 360/12C63か、まずは近似12弦から。
Q. 屋上ライブのギターは?
A. Rosewood Telecaster(プロトタイプ)。後年に限定復刻が出ており、中古で流通。
Q. “Lucy”はどの曲で使われた?
A. 「While My Guitar Gently Weeps」のリード(演奏はクラプトン)が“Lucy”で録音されたことで知られる。
Q. Squierは本当に使っていた?
A. 所有・使用の伝承や写真の指摘はあるが、公式インタビュー等の一次資料での断定は未確認。諸説ありとして扱うのが安全。
参考ソース(一次・定評メディア/抄)
- Fender公式(George Harrison Rosewood Telecaster/Rocky Tribute)
- Rickenbacker公式(360/12C63 復刻情報)
- Gretsch公式(Country Gentleman/Duo Jetの歴史)
- Reverb Magazine(Rosewood Tele 来歴・屋上ライブ特集)
- Vintage Guitar Magazine(Epiphone Casinoの塗装剥がし証言記事)
- “Lucy (George Harrison guitar)”の来歴(定評のある資料・アーカイブ)
- Til Only Silence Remains: “George’s Guitars”(象徴的モデル整理の参考)
※Squierエピソードはフォーラム・オークション記録などの二次情報に基づく伝承。一次資料が確認できた場合のみ本文を更新します。
コメント