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キースリチャーズのギター【厳選5本】ギター歴15年の筆者が伝説の愛器とサウンドの秘密を解説


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「キースリチャーズといえばどんなギターを使っているの?」「あのザラッとしたロックなサウンドはどこから来るんだろう」と気になっている方は多いのではないでしょうか。

 

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ローリング・ストーンズのギタリストとして60年以上第一線に立ち続けるキース・リチャーズは、そのギター選びとプレイスタイルそのものがひとつの哲学です。ミコーバー(Micawber)と名付けられた5弦テレキャスターをはじめ、彼が愛用してきたギターは、ロック史に刻まれた数々の名曲を生み出してきました。

 

本記事では、ギター歴15年の筆者がキースのアイコニックなギター5本を徹底解説します。それぞれのギターのスペックや歴史、どの曲で使われたのかまで掘り下げていきます。最後まで読んでいただければ、キースのサウンドの謎が解けるはずです。

 

🎸
ヤツのギター 編集部
ギター歴15年の現役ギタリスト

中学生のときにエレキギターを始め、現在はバンド活動を続けながらギターの魅力を発信しています。ローリング・ストーンズは学生時代から聴き続けており、キース・リチャーズのオープンGチューニングには特に影響を受けました。テレキャスターを複数本所有し、実際のサウンドを徹底検証しながら記事を執筆しています。

この記事の結論
キース・リチャーズのサウンドの核心は、5弦オープンGチューニングに設定したフェンダー・テレキャスターにあります。特に「ミコーバー」と名付けられた1954年製テレキャスターは、彼の代名詞ともいえる存在です。ただし、ギブソン・レスポールやES-355など時代ごとに異なるギターを使い分けており、それぞれが異なるサウンドの魅力を持っています。

  • キース・リチャーズの代名詞「ミコーバー」の詳細スペックと歴史
  • オープンGチューニングとは何か、5弦にする理由
  • キャリア別に使用したギターの変遷(レスポール→テレキャスター→ES-355)
  • それぞれのギターがフィーチャーされた代表曲
  • キースのサウンドに近づくためのポイント

キース・リチャーズとギターの哲学

 

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キース・リチャーズのギター哲学を一言で表すとしたら、「引き算の美学」でしょう。テクニカルな速弾きやスウィープピッキングとは対極の、シンプルで骨太なリフとグルーヴが彼のトレードマークです。

 

彼の有名な言葉に「ファイブ・ストリングス、スリー・ノーツ、ツー・ハンズ、ワン・アスホール(5弦、3音、2つの手、1人の人間)」というものがあります。これはギターの本質が複雑さではなく、シンプルさにあるという信念を表しています。

 

また彼は早い時期からオープンGチューニング(開放弦でGコードが鳴るよう弦を調整したチューニング)を習得し、さらにそこから低音弦(6弦)を取り除いた独自の5弦スタイルを確立しました。このアプローチがあの独特の「キース・サウンド」を生み出す核心です。

 

キースはインタビューでこう語っています。「6弦でこれ以上うまくなれないと思っていた。それで5弦に切り替えた瞬間、まるでページをめくったような感覚があった。全く新しい世界が広がったんだ。」

 

筆者
筆者
筆者自身、オープンGチューニングを試したとき、まず弾きやすさに驚きました。通常のチューニングで3〜4本の指を使うコードが、1〜2本の指でおさえられるようになるんです。キースのリフが「なぜあんなにシンプルに聴こえるのか」がよくわかった瞬間でした。

キース・リチャーズのアイコニックなギター【厳選5本】


ミコーバー(Micawber)― 1953年製フェンダー・テレキャスター

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  • 1953年製フェンダー・テレキャスター(バタースコッチ・ブラックガード)
  • エリック・クラプトンから27歳の誕生日プレゼントとして贈られた
  • ネックPUをギブソンPAFハムバッカーに換装(逆向き設置)
  • 5弦オープンGチューニング専用機
  • 「Exile on Main St.」セッション時から使用開始

キース・リチャーズのギターの中で、最も有名なのがこの「ミコーバー(Micawber)」です。ディケンズの小説『デイヴィッド・コパフィールド』に登場するウィルキンス・ミコーバーという楽天的なキャラクターにちなんで名付けられました。

1953年製のバタースコッチ・フィニッシュ(ブラックガード仕様)のフェンダー・テレキャスターで、エリック・クラプトンがキースの27歳の誕生日に贈ったという逸話でも知られています。まさにロック界が誇る友情の証といえるでしょう。

最大の特徴はその改造内容にあります。1972年頃、ネック側のピックアップが1950年代製のギブソンPAFハムバッカーに換装されています。しかも通常とは逆向きに取り付けられており、磁石の極性がテールピース側を向いているという独特の仕様です。これがあのザラッとした独特のミッドレンジを生み出す一因となっています。

また弦はアーニーボールの「キース・リチャーズ・シグネチャー」ニッケルワウンド(.011〜.042)を使用。低音弦(6弦)を外した5弦仕様で、オープンGチューニング(G–D–G–B–D)に設定されています。

ミコーバーが活躍した代表曲
「Brown Sugar」「Before They Make Me Run」「Honky Tonk Women」「Tumbling Dice」など、ストーンズの黄金期を代表する楽曲のほとんどでこのギターが使用されています。

筆者
筆者
筆者はミコーバーを参考にしてテレキャスターのネックPUをハムバッカーに換装したことがあります。音が太くなる反面、テレキャスター本来のシャープさが少し失われる感覚でした。キースが「逆向き」に付けたことで絶妙なバランスを保っているのだと、改めて彼の感覚の鋭さに驚きました。

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マルコム(Malcolm)― 1954年製フェンダー・テレキャスター

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  • 1954年製フェンダー・テレキャスター(ミコーバーと同年製)
  • ミコーバーより摩耗が少なく、木目がより鮮明
  • ネックPUをギブソンPAFに換装(通常向き)
  • 現在はミコーバーのバックアップとして使用
  • 「Jumpin' Jack Flash」「Happy」などで活躍

ミコーバーとほぼ同じ時代の1954年製テレキャスターで、キースが「マルコム(Malcolm)」と名付けたギターです。外見上はミコーバーより摩耗が少なく、木目のグレインが鮮明に見えるのが特徴です。

こちらもネックPUはギブソンPAFハムバッカーに換装されていますが、ミコーバーのように逆向きではなく通常の向きで取り付けられています。この違いが両者のサウンドキャラクターの違いとして現れています。

現在のライブではミコーバーのバックアップポジションとして使われることが多く、ステージ上でのキースのギターサウンドを陰から支える存在です。

筆者
筆者
ライブ映像を見ていると、テクニシャンがマルコムを手渡すシーンが確認できます。全く同じ時代の同じ機種を2本用意しているという事実は、それだけ「この音でなければならない」というこだわりの表れだと感じました。

マルコムが活躍した代表曲
「Jumpin' Jack Flash」「Happy」「Tumbling Dice」など。バックアップとして常にミコーバーと同じ楽曲をカバーできる準備がなされています。



1959年製ギブソン・レスポール ― キャリア初期の主力ギター

 

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  • 1964年にロンドンで中古購入
  • 「The Last Time」「(I Can't Get No) Satisfaction」で使用
  • テレビ番組「Ready Steady Go」でのパフォーマンスにも登場
  • 後にギブソン・レスポール・カスタム(ビグスビー付き)へ移行

テレキャスターの印象が強いキースですが、キャリア初期(1964〜1966年頃)の主力は1959年製ギブソン・レスポールでした。1964年8月後半にロンドンのSelmer's Music Storeで中古購入したとされています。「サティスファクション」についてはキース自身がギブソン・ファイアーバードVIIを使用したと証言しており、この時期はレスポールとファイアーバードを並行して使っていたと考えられています。

レスポールの太くウォームなサウンドはブルースとロックンロールの間を行き交うストーンズ初期のサウンドにぴったりとマッチしており、キース自身も「偉大なクラシック・ロックンロールのギターに出会った」と語っています。

その後はギブソン・レスポール・カスタム(ビグスビー・バイブラート付き)へと移行し、1960年代後半から1970年代初頭にかけて使用されました。

筆者
筆者
筆者もギブソン・レスポールを弾いてみたことがありますが、テレキャスターとは全く別の楽器といえるほど感触が違います。レスポールの甘くまろやかなサステインと、テレキャスターのシャープでパンチのあるアタック。キースがあえてテレキャスターに乗り換えた理由も、弾いてみると感覚的に理解できます。

レスポール期の代表曲
「The Last Time」「Get Off of My Cloud」など。なお「(I Can't Get No) Satisfaction」についてはキース本人がギブソン・ファイアーバードVIIを使用したと証言しており、レスポールではない点に注意が必要です。

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その他の主要ギター

1960年製ギブソンES-355 ― 「スティッキー・フィンガーズ」時代の名器

 

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1969年から使用が確認されているブラック・フィニッシュの1960年製ギブソンES-355は、「スティッキー・フィンガーズ」や「エグザイル・オン・メイン・ストリート」といったストーンズ屈指の名盤レコーディングで活躍したセミアコースティックです。

2026年にはギブソン・カスタムショップがこのギターの3Dスキャンデータを使ったコレクターズ・エディションを限定発売したことで、再び注目を集めました。ナッシュビルのカスタムショップでハンドクラフトされ、マーフィー・ラボによるエイジング処理が施された本格的な復刻モデルです。

注意:ES-355は市場での入手難易度が高く、価格も非常に高騰しています。ES-335など近似したモデルから始めることをおすすめします。

1958年製フェンダー・ストラトキャスター ― 「ミス・ユー」の時代

 

テレキャスター一辺倒のイメージがあるキースですが、1978年のファンクナンバー「Miss You」や「Under My Thumb」では1958年製フェンダー・ストラトキャスターを使用しています。通常の6弦・スタンダードチューニングで演奏されており、ストラトらしいクリスピーで明るいサウンドが楽曲のグルーヴに貢献しています。


キース流・オープンGチューニングを徹底解説

キース・リチャーズのサウンドを理解するうえで外せないのが、オープンGチューニングです。これは開放弦だけでGコードが鳴るように弦を調整するチューニング方法で、さらにキースはそこから6弦を外すという独自のアレンジを加えています。

スタンダードチューニング キース流オープンG(5弦)
6弦(最低音) E 使用しない(外す)
5弦 A G
4弦 D D
3弦 G G
2弦 B B
1弦(最高音) E D

6弦を外す理由についてキースはこう語っています。「低音のDは他の弦と混じると泥臭くなる。外すことで音がすっきりして、バンジョーのような明快さが生まれる。」この発言はバンジョーの5弦スタイルにインスピレーションを受けたことを示唆しており、カントリーやブルースのフォーク的な要素がキースのギタリスト像に影響を与えていることがわかります。

また、オープンGチューニングの大きな利点は少ない指で豊かなコードが押さえられることです。ひとつの指でバレーするだけでメジャーコードが鳴り、2〜3本の指でコンプレックスなボイシングが実現します。これがキースのリズムギターに「シンプルだが重厚」という印象を与える仕掛けです。

筆者
筆者
筆者も一時期オープンGチューニングにはまっていた時期があります。通常チューニングとは全く異なる指板の感覚に最初は戸惑いますが、慣れてくると「Honky Tonk Women」や「Tumbling Dice」のリフが自然と弾けるようになりました。ギターの新しい扉を開く感覚はキースの言葉通りでした。

キース・リチャーズ使用ギター比較表

ギター名 年代 メーカー/モデル チューニング 主な使用楽曲
ミコーバー 1953年 Fender Telecaster 5弦オープンG Brown Sugar, Honky Tonk Women
マルコム 1954年 Fender Telecaster 5弦オープンG Jumpin' Jack Flash, Happy
1959 LP 1959年 Gibson Les Paul スタンダード Satisfaction, The Last Time
ES-355 1960年 Gibson ES-355 スタンダード Sticky Fingers収録曲
Stratocaster 1958年 Fender Stratocaster スタンダード Miss You, Under My Thumb

キース・リチャーズのサウンドに近づく3ステップ

step
1
テレキャスターを手に入れる

キースサウンドの出発点はフェンダー・テレキャスターです。ビンテージ仕様の1954年製を入手することは現実的ではありませんが、現行のフェンダーUSAやメキシコ製テレキャスターでも十分に近いサウンドが得られます。ネックPUをハムバッカーへの換装を検討するのも一手です。

step
2
オープンGチューニングに挑戦する

6弦を外し、残りの5弦をG–D–G–B–Dに調整します。チューナーアプリやクリップチューナーを使えば簡単に設定できます。最初は「Honky Tonk Women」や「Brown Sugar」のリフをゆっくり弾いてみると、オープンGの気持ちよさを実感できるはずです。

step
3
弦・ピックにもこだわる

キースはアーニーボールのニッケルワウンド(.011〜.042)を使用しています。やや太めのゲージですが、オープンGチューニングでは張力のバランスが取れてむしろ弾きやすく感じることも多いです。ピックはミディアム〜ヘビーのナイロン製を試してみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. キース・リチャーズのメインギターは何ですか?
A. 現在のメインギターは「ミコーバー」と名付けられた1954年製フェンダー・テレキャスターです。5弦オープンGチューニング専用機として設定されており、ストーンズのライブでも必ずステージに上がります。

Q. なぜ6弦を外すのですか?
A. キースによると、低音のD(6弦をオープンGに調整した音)が他の弦と混ざると「泥臭くなる」ためです。5弦にすることでサウンドがクリアになり、バンジョーのような明快なアタックが得られます。

Q. キース・リチャーズは何本のギターを所有していますか?
A. およそ3,000本のギターを所有しているとされていますが、キース自身は「実際に使うのは約15本程度」と語っています。

Q. ミコーバーはエリック・クラプトンからもらったって本当ですか?
A. はい、事実です。エリック・クラプトンがキース・リチャーズの27歳の誕生日に贈ったとされています。「エグザイル・オン・メイン・ストリート」のレコーディングセッション時期と重なります。

Q. キースのシグネチャーモデルは購入できますか?
A. 2026年にギブソン・カスタムショップが1960年製ES-355のコレクターズ・エディションを限定発売しました。ただし価格は約200〜300万円と非常に高額です。より手頃なモデルで代替を検討する方がほとんどの方には現実的です。

Q. オープンGチューニングはどんな曲に向いていますか?
A. ブルース、ロックンロール、カントリーとの相性が特に抜群です。キースの楽曲のほか、スライドギター演奏にも広く使用されます。「Brown Sugar」「Honky Tonk Women」「Tumbling Dice」あたりから入門するのがおすすめです。



まとめ:キース・リチャーズのギターと哲学

  • キース・リチャーズのメインギターは「ミコーバー」1954年製フェンダー・テレキャスター(5弦オープンGチューニング)
  • ネックPUをギブソンPAFハムバッカー(逆向き設置)に換装したことで独特のサウンドキャラクターが生まれている
  • バックアップには同じく1954年製の「マルコム」を使用
  • キャリア初期(1964〜66年)は1959年製ギブソン・レスポールが主力で、「サティスファクション」もこのギター
  • 「スティッキー・フィンガーズ」時代は1960年製ギブソンES-355(ブラック)も活躍
  • サウンドの核心は5弦オープンGチューニング。「引き算の美学」がキースの哲学

キース・リチャーズのギターへの姿勢は、「どんなに高価な機材よりも、自分の耳と感覚を信じること」に尽きると筆者は感じています。ミコーバーは決して完璧なビンテージギターではなく、改造に改造を重ねた、彼自身の身体の延長線上にある楽器です。ギターはスペックよりも、弾き手との関係で価値が決まる。そんな当たり前のことを、キースは体現し続けています。

まずはお手持ちのギターで5弦オープンGチューニングを試してみてください。きっとキース・リチャーズの音楽への新しい扉が開くはずです。


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