ジャック・ホワイトの主力ギターは、高いヴィンテージではなく1960年代の古い通販ギターです。
この意外さが、機材の面白いところです。
ホワイト・ストライプスの音を作ったのは、どんなギターだったのでしょうか。
いまFenderから出ているシグネチャーモデルも、あわせて整理します。
- 使用ギター8本(Airline・Kay・Telecasterほか)
- 使用アンプ(Silvertone・Twin Reverb・Pano Verb)
- FenderのTriplecasterとTriplesonic Acoustasonicのスペック
- 「あの音」に近づく選び方
ジャック・ホワイトとは|ホワイト・ストライプスのギタリスト
ジャック・ホワイトは、デトロイト出身で1975年生まれのギタリストです。
1997年ごろにホワイト・ストライプスを結成しました。
ギターとボーカルのジャックと、ドラムのメグ・ホワイトの2人編成です。
のちにThe RaconteursやThe Dead Weatherでも活動しています。
ペダル側の話は、ジャック・ホワイトの使用エフェクター完全ガイドで詳しくまとめています。
この記事では、ギター本体とアンプに絞ります。
ジャック・ホワイトの使用ギター一覧
まず、主な使用ギターを表にまとめます。
| ギター | 主な使い方・特徴 | 主な時期・バンド |
|---|---|---|
| 1964年ごろのAirline「JB Hutto」 | ホワイト・ストライプスの主力。ファイバーグラス製ボディ | ホワイト・ストライプス |
| 1950年代のKayアーチトップ | スライド用。オープンAチューニング | ホワイト・ストライプス |
| 1970年代のCrestwood Astral II | 初期の曲で使用。オープンEでスライド | ホワイト・ストライプス初期 |
| 1957年製Gretsch White Penguin | 2007年ごろにナッシュビルで購入 | 『Icky Thump』期 |
| Fender Telecaster(1969年製Bigsby付きなど) | 『Icky Thump』の録音で重要な役割 | ホワイト・ストライプス後期 |
| Fender Highway One Telecaster | ハードウェアが白塗り、Bigsby付き | ソロ『Blunderbuss』期 |
| Gretsch改造「Copper Triple Jet」 | 銅のトップ、3ピックアップ | The Raconteurs |
| Gretsch改造「Green Machine」 | マイクとテルミンを内蔵した改造機 | The Raconteurs |
ほかにもGretsch Jupiter ThunderbirdやGibsonの金色カスタムが知られています。
どれも「普通のギター」から外れた個体なのが、共通点といえます。
1964年ごろのAirline「JB Hutto」|ホワイト・ストライプスの主力
ジャック・ホワイトといえば、まずこの赤いギターです。
Eastwoodの解説では、1964年に通販カタログで売り出されたモデルです。
製造はシカゴのValcoで、ブランド名は「Airline」だけでした。
ブルースギタリストのJ.B.ハットが使ったことから、「JB Hutto」の通称がつきました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ボディ | Res-O-Glas(Valcoのファイバーグラスの商標名)。上下2枚のファイバーグラスを合わせた構造 |
| ピックアップ | Valcoのシングルコイル2基(ハムバッカーのようなカバー付き) |
| ネック | トラスロッドなし(調整できない) |
| 当時の価格 | 1960年代半ばに99.95ドルとされる(Eastwood) |
Eastwoodの解説では、中古相場は2,000ドル以上とされています。
当時は安さが売りだったのに、のちに高騰したわけです。
ホワイト・ストライプスの音の中心にあったのは、このAirlineです。調整しにくい扱いづらさと、ファイバーグラスのボディ。その組み合わせが、音の個性になったと考えられます。
Ground Guitarは、ほかにも1963年製のAirlineを使っていたと紹介しています。
ただし資料が少ないため、参考情報にとどめます。
1950年代のKayアーチトップ|スライド専用の1本
Kayのアーチトップは、ジャックのスライド用ギターです。
弦をAの和音に合わせた「オープンAチューニング」で使われています。
Ground Guitarは、「Death Letter」や「Stop Breaking Down」で使ったと紹介しています。
スライドとは、金属などの筒を指にはめて弦をこする奏法です。
ボディは2001年に茶色の紙で覆われたとされます。
理由はハウリング防止とも、見た目のためともいわれています。
ピックアップは、DeArmondのシングルコイル1基です。
「Seven Nation Army」の低いリフは、Whammyでオクターブ下げた音とされています。
この曲に使われたギターは、資料によって記述が分かれます。
1970年代のCrestwood Astral II|初期の相棒
Crestwoodはジャックの3本目の主力にあたる、日本製のギターです。
ホワイト・ストライプスの初期に使われ、弦をEの和音に合わせたオープンEで、スライドに使われたとされています。
ボディは合板のホロウ構造で、シングルコイル2基とトレモロブリッジを備えます。
Guitar Worldは、このギターもEastwoodがリメイクしたと紹介しています。
1957年製Gretsch White Penguin|数少ない高級ヴィンテージ
安いギターのイメージが強いジャックですが、高価なヴィンテージも手にしています。
White Penguinは、2007年ごろにナッシュビルで購入したとされています。
購入するまでにはかなり迷ったそうです。
本人はこのギターを、Airlineと同じ部類の風変わりな楽器だと語ったとされています。
Fender Telecaster|『Icky Thump』を支えた道具
Guitar Worldによると、1969年製のBigsby付きと、1954年製のTelecasterが使われました。
どちらも『Icky Thump』の録音で重要な役割を果たしたとされています。
シンプルで頑丈なTelecasterは、ジャックの「道具として使い倒す」姿勢に合う1本です。
Telecasterを使ったほかのギタリストは、こちらで紹介しています。
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Fender Highway One Telecaster
ソロ・アルバム『Blunderbuss』の2012年ごろから使われたTelecasterです。
ハードウェアは白く塗られ、Bigsbyが追加されています。
のちにブリッジ側が、T.V. Jonesのフィルタートロンに交換されたと紹介されています。
The Raconteursの改造ギター|銅・マイク・テルミン
Gretsch改造「Copper Triple Jet」
ギター製作者のランディ・パーソンズと作った、銅のトップを持つ3ピックアップのGretschです。
中央のピックアップにはMXR Micro Ampがつながれ、歪みを足せます。
The Raconteursでは、マイクもペダルも銅で統一していたと伝えられています。
Gretsch改造「Green Machine」
Gretsch G6118をベースに、3基目のピックアップを加えた改造ギターです。
Shureのマイクを模した木製パーツが引き出せます。
テルミンやミュート機構も内蔵されています。
見た目は派手ですが、音を出すための仕掛けが細かく作り込まれています。
使用アンプ|Silvertone・Twin Reverb・Pano Verb
| アンプ | 特徴 |
|---|---|
| Sears Silvertone 1485 | 10インチスピーカー6基(Jensen C10Q)を搭載。初期の音作りで重要 |
| Fender Twin Reverb | クリーンの定番。Silvertoneと並ぶ基本のアンプ |
| Fender Pano Verb | 本人所有の1964年製Vibroverb・1960年製Vibrasonic・1993年製Vibro-Kingからインスパイアされた真空管アンプ |
Pano Verbは、2024年に登場したジャック・ホワイトのシグネチャーアンプです。
発売時の島村楽器の掲載価格は462,000円(税込)でした。
FenderのJack Whiteシグネチャーギター
Fenderは、ジャック・ホワイトのシグネチャーギターを2つ出しています。
Limited Edition Jack White Triplecaster Telecaster
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| ボディ | チェンバード・アッシュ |
| ネック | メイプル、ソフトVシェイプ、12インチラジアス指板 |
| ピックアップ | ブリッジ:カスタムハムバッカー/ミドル:JW-90シングルコイル/ネック:CuNiFeワイドレンジハムバッカー |
| ハードウェア | Bigsby B5、Hipshot Xtender(ドロップDチューナー) |
| 特徴的な回路 | アーケード式の「Stutter」スイッチ、ミュート/ダイレクト出力の3ウェイトグル |
| 価格 | 517,000円(税込・発売時の島村楽器の掲載) |
こちらは「Limited Edition」の名称がつく限定モデルです。
Jack White Triplesonic Acoustasonic Telecaster
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| ボディ | ブレーシング入りのソリッド・シトカスプルーストップ、アルダー |
| ネック | メイプル、モダン「Deep C」 |
| ピックアップ | アンダーサドル・ピエゾ/ボディ・センサー/N4マグネティック(Fishmanと共同設計したアコースティックエンジン) |
| サウンド切替 | アコースティック/クリーンエレキ/オーバードライブの3種を3ウェイスイッチで切替 |
| 価格 | 358,600円(税込・発売時の島村楽器の掲載) |
こちらも、島村楽器では数量限定販売品として掲載されていました。
「あの音」に近づくには|予算別の考え方
| 目的 | 選び方 |
|---|---|
| 雰囲気を安く味わいたい | EastwoodのAirlineリイシュー。国内の取り扱い状況は未確認のため、販売店で確認する |
| 本人モデルを弾きたい | Triplecasterか、Triplesonic Acoustasonic。どちらも高額で、在庫は要確認 |
| 手持ちのギターで近づけたい | 歪み(Big Muff系)とオクターブ系ペダルが近道。エフェクター記事で解説 |
EastwoodはAirlineのリイシューを出しているブランドです。
ただし現行の型番や価格は確認できませんでした。
また、リイシューはオリジナルのファイバーグラスとは素材が異なる可能性があります。
購入を考える場合は、取り扱い店舗で現行品かどうかを確認してください。
そろそろ、本気でギターと向き合ってみませんか?
ジャックのようなスライドやリフは、独学だとクセがつきやすい部分です。
オンラインギターレッスンおすすめ3選で、あなたに合うスクールを比較してみてください。
参考にした資料
- Eastwood Guitars:The Airline of Many Names
- Guitar World:Jack White's guitar gear
- Ground Guitar:Jack White's Guitars and Gear
- 島村楽器:Jack White Triplecaster解説
- 島村楽器:Jack White Collection
よくある質問(FAQ)
Q. ジャック・ホワイトのメインギターは何ですか?
A. ホワイト・ストライプスでは、1964年ごろのAirline「JB Hutto」が主力です。ファイバーグラス製ボディが特徴です。
Q. Seven Nation Armyのリフは、どう鳴らしていますか?
A. リフはDigiTech Whammyでオクターブ下げた音とされています。使用ギターは資料によって記述が分かれるため、この記事では断定しません。
Q. ジャック・ホワイトのシグネチャーギターはありますか?
A. FenderからTriplecasterとTriplesonic Acoustasonic Telecasterが出ています。国内の在庫は店舗によって異なるため、購入前に確認してください。
Q. 安く同じ雰囲気を味わう方法はありますか?
A. EastwoodがAirlineのリイシューを出しています。国内の取り扱い状況は未確認のため、購入前に販売店で確認してください。ペダルでの再現は、エフェクター記事で解説しています。
まとめ:ジャック・ホワイトの使用ギター
- 主力は1964年ごろのAirline「JB Hutto」。トラスロッドのないファイバーグラス製
- スライドは1950年代のKayアーチトップ(オープンA)
- 高級品は1957年製Gretsch White Penguinなど。Telecasterも要所で使用
- 本人モデルはTriplecasterとTriplesonic Acoustasonic。在庫は店舗で要確認
- 手持ちで近づくならBig Muff系の歪みとオクターブから