【2025年最新】ビリー・ジョー・アームストロング使用ギター徹底解説|Green Dayサウンドを支えた名機4選
1本のギターが、時代を動かすことがある。
Green Dayのフロントマン、ビリー・ジョー・アームストロングが奏でるコードは、
たった数秒でステージの空気を変え、観客の心を一つにしてきました。
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パンクなのにどこか温かく、人間的な響き。
その音を生み出したのが、彼が愛し続けた4本のギターです。
“Blue”から“Floyd”、そしてシグネチャーモデルまで、
ビリー・ジョーのサウンドを形作った名機たちを年代順に徹底解説します。
はじめに:Green Dayサウンドはギターから始まった
パンクの枠を越え、世界中のロックファンを惹きつけるGreen Day。
その中心にあるのは、過剰な歪みでも派手なエフェクトでもなく、“ギターの鳴り”です。
曲のテンポや歌よりも先に空気を変える力があります。
その4本を通して、Green Dayの音の変化を追っていきましょう。
使用ギター4本の概要
以下の4本は、GroundGuitarおよびGibson公式インタビューなど、一次・準一次情報で確認できる
ビリー・ジョー・アームストロングの主要使用ギターです。
ギター名 | 使用時期 | 特徴 |
---|---|---|
Fernandes RST-50 “Blue” | 〜1999年 | 母親から贈られた初ギター。『Dookie』『Insomniac』期の象徴。 |
1956 Gibson Les Paul Junior “Floyd” | 2000年〜 | 『Warning』前に購入。以後のGreen Dayサウンドの中心。 |
Gibson J-45 | 2000年代〜 | 『Warning』『21st Century Breakdown』など、アコースティック作品の要。 |
Gibson BJA Les Paul Junior(Double Cut) | 2012年〜 | 本人監修のシグネチャーモデル。“Floyd”の現代版。 |
各ギターの特徴と音の変化
1. Fernandes “Blue”|初期衝動の象徴
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“Blue”は、ビリー・ジョーが11歳のときに母親から贈られた最初のギターです。
長年にわたり改造を重ね、Green Day初期のほぼすべての楽曲で使用されました。
『Dookie』『Insomniac』のエネルギーを支えています。
- 音の特徴:明るく抜けの良いアタック。軽い歪みでも力強い。
- 代表曲:「Basket Case」「When I Come Around」
2. 1956 Gibson Les Paul Junior “Floyd”|温かく芯のある中域
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2000年、『Warning』の制作直前に購入した1956年製Les Paul Junior “Floyd”。
本人はGibson公式インタビューで「今まで弾いたどのギターとも違う特別な存在」と語っています。
P-90ピックアップ1基のシンプルな構造ながら、ピッキングの強弱がそのまま音に反映される反応性を持ちます。
- 音の特徴:分厚い中域とタイトな低域。コードが立体的に響く。
- 代表曲:「Minority」「Warning」「Waiting」
3. Gibson J-45|アコースティック・サイドを支えるもう一つの主役
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ビリー・ジョー・アームストロングがエレキだけでなくアコースティックでも信頼を寄せているのが、Gibson J-45です。
よりメロディックで温かみのある作品で多く使用されています。
アルペジオでもストロークでも安定した響きを持ちます。
- 使用期:2000年代以降(『Warning』〜現在まで)
- 仕様:スプルーストップ/マホガニーバック&サイド/ラウンドショルダー
- 音の特徴:深みのある低音と自然な倍音。ストローク時に艶のある中域が立ち上がる。
- 代表曲:「Good Riddance」「Wake Me Up When September Ends」「21 Guns」
ヴィンテージ感のあるサテン仕上げとLR Baggsピックアップを採用し、
彼の“シンプルで正直なアコースティックトーン”を誰でも再現できるモデルとして人気を集めています。
4. 2012 Gibson BJA Les Paul Junior Doublecut|初の本人監修シグネチャー
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2012年、Gibsonがビリー・ジョー・アームストロング専用に設計した初のシグネチャーモデルがこのBJA Les Paul Junior Doublecutです。
プロトタイプは同年初頭に完成し、2012〜2013年の短期間のみ生産されました。
グラナディーロ(Granadillo)を使用。
専用のH-90ピックアップはP-90の厚みを保ちながらノイズを抑え、ライブ向けに最適化されています。
このギターは2012年のiHeartRadio Music Festivalで話題に。
ビリーが「1分しか残ってないのか!?」と叫び、ステージ上で叩き壊したあの瞬間に使われていたのが本機です。
その後テックにより修復され、再びツアーで使用されました。
- 製造年:2012〜2013年(限定生産)
- 仕様:マホガニー/グラナディーロ指板/H-90×1/TVイエロー
- 特徴:“Floyd”のDNAを継ぐモダンなステージモデル。
同系統のギターを選ぶポイント
ビリー・ジョーのような“コードが歌うトーン”を再現したいなら、
まずP-90ピックアップ搭載のシングルピックアップモデルを試すのがおすすめです。
余計なトーンコントロールがないぶん、手の動きやピッキングで音が変化します。
もし“Blue”のような軽快さが好みなら、ストラト系HSS構成のギターも候補になります。
大切なのは、「歪ませすぎず、ミドルを丁寧に鳴らす」ことです。
使用ギター年表
年代 | 使用ギター | 特徴 |
---|---|---|
〜1999年 | Fernandes “Blue” | 初期衝動と勢いの象徴。改造を重ねてメインとして使用。 |
2000年〜 | 1956 Gibson Les Paul Junior “Floyd” | 『Warning』以降の中核。ミドル主体の温かいトーン。 |
2000年代〜 | Gibson J-45 | アコースティック作品の要。メロディックなGreen Dayサウンドを支える。 |
2012年〜 | Gibson BJA Les Paul Junior | 本人監修のシグネチャーモデル。現行でも入手可能。 |
まとめ|4本のギターが描くビリー・ジョーの物語
ビリー・ジョー・アームストロングのギター遍歴は、Green Dayそのものの進化と重なっています。
初期の“Blue”でパンクの衝動を鳴らし、“Floyd”で温かいミドルを手に入れ、
“J-45”でアコースティックの広がりを加え、そしてシグネチャーで原点に帰る。
4本のギターを中心に、時代とともに音を変え、今もなお世界中で鳴り響いています。
コード1発で空気を変えるその音の秘密は、構造ではなく、弾き手の誠実さにあります。
参考文献・出典
- GroundGuitar:「Billie Joe Armstrong’s Guitars and Gear」
- Gibson公式インタビュー:「Billie Joe Armstrong on His Les Paul Junior」(2009)
- Gibson公式:「Billie Joe Armstrong J-45 Signature」リリース(2020)
- Reverb Blog:「Inside Billie Joe Armstrong’s Gear Collection」(2019)
- Green Day Official YouTube:「Basket Case」「Good Riddance」「21 Guns」ほか
※出典のない内容は一次情報の裏付けがある範囲のみで記述しています。
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